楽しい着物相談室

着物について分からないことや長年疑問に思われていることが有りましたらお気軽にご投稿お願いします。
私で分からないことは、他の工程の職人さんや白生地問屋の御主人にお尋ねし出来るだけ正確なお答をさせていただきます。
他のサイトのお答を読んでみますと同意できないと感じるお答もあります。
着物職人の一人として私なりの考えをお伝えできれば・・・と考えました。

また、初めて着物を着た時の喜びや戸惑い、困ったこと、成人式での思い出や失敗談、結婚式でのエピソードなど、きものにまつわる貴方のいろいろな物語をおよせください。
着物を着ていただく際のご参考にしていただけると思います。
思い出をつづることは懐かしく楽しいことです。
少しでも多くの方に着物を身近に感じていただけ、少しでも多くの着物ファンになっていただけますよう願いをこめてこのページを始めました。
多くの方々のご投稿お待ちしています。

お客様からのご相談

お客様からのご相談 一覧

シミ、汚れが有っても染め直すことは出来ますか?

御客様からのご質問

娘に私の振袖を着せたいと思いましたが、実家での管理状態が悪く、シミがたくさんありました。しみ抜きと白地の振袖なので、娘の希望の色に染め直しをしたいと考えています。

公庄工房からの返信

シミ、汚れのきつい部分がありますが濃い地で染め直しますと立派な振袖となってよみがえります。
振袖、長襦袢とも胴裏は新しくしなければなりません。
振袖、
解き、羽縫い― 洗い張り―シミ、汚れ落とし―柄伏せ―染め直し―蒸し、水元―湯のし―金彩―刺繍直し―仕立て直し
この工程をたどりまして18万円。
長襦袢、
解き、羽縫い―洗い張り―シミ、汚れ落とし―仕立て直し
この工程をたどりまして4万円。
どちらにも胴裏の生地代金が含まれています。
大まかなお見積もりですがこの金額くらいになると思います。
振袖は、臙脂、朱、紫、紺など濃い地色ですとシミがきれいに落とせなくても問題はないでしょう。
しっかりした模様ですので見違えるような振袖に出来上がります。         染め直す地色につきましては「和色大辞典」と検索し参考にしてください。

染め直す地色はどのように決められるのですか?

御客様からのご質問

20代に仕立てた色無地の色が現在の年齢(50代)に合わなくなりました。着用回数が少なく、よい品だと思っていますので、今回、染め直したいと思っています。紋はありません。色の好みをどのようにお伝えできるのか、どのようの決めておられるのか、また参考費用をご教示くださいませ。

公庄工房からの返信

S J 様
御質問有難うございます。
染め直す地色を決めるのは、
ネットで「和色大辞典」を見ながらお好みの地色をお聞きします。
御希望に基づき、何点かの地色見本を作成しお送りします。
同じ見本を私も控えておりますので、もう一度お話で番号をお聞きして決めています。

地色を決めるのは非常に重要で微妙なところがあります。
御話をお聞きすることでその微妙なところを理解して進めます。
色無地の染め直しをされますと、仕立ての前に縫い紋をおいれになるのをお勧めしています。
紋があるだけで失礼なことにならないようです。
紋がありますと着ていただく機会が多くなります。
約3カ月以内でお手元にお送りできます。
御急ぎの場合はお知らせください。
出来るだけ間に合うように仕上げます。
6~7万円以内で仕上げることが出来ます。
よろしくお願いします。

【N 様よりご質問】23年前に私が成人式で着た振袖を結婚して袖を切り2回ほど着ました。再来年、娘が成人式の為この袖を切った振袖を着せたい為、もう一度つける事は可能でしょうか… 切ってしまったものを付けるのはムリとはわかっているのですが、何か方法はないでしょうか?よろしくお願いします。

御質問有難うございます。

振袖の切り離した袖はカケツギで元に戻せます。
その後、金彩などでつなぎ目を隠すように出来ると思います。

解き、羽縫い―洗い張り―シミ、汚れ落とし―湯のし―カケツギ―金彩―仕立て直し

この工程をたどります。

京友禅の着物は振袖に限らず最後の仕上げの金彩、刺繍にどこまで手を入れるかが
大事なことになります。十分に着て頂けるように仕上げられます。

【I様からのご質問】 はじめまして。 染め替えについての質問なのですが、 一度染め替えに出して、柄が死んでしまった着物はもう元には戻りませんよね…? 出した業者は柄は残ると言っていたのですが、実際に出来上がってみると、幽霊のような模様になってしまっていて、とてもがっかりしました。 こちらで見せて頂いた写真ではとても綺麗に染め上がっていたので…質問させて頂いた所存です。

I様
メール有難うございます。
染め直した業者が「柄伏せ」をしなかったためでしょう。また指示がうまく伝わらなかったかもしれません。
「柄伏せ」は、地色を染め直す際、染め直す色が模様の中に入らないように模様の上に伏せ糊を寸分たがわずおいてゆく作業です。
解き、羽縫い→洗い張り→柄伏せ→染め直し→蒸し、水元→湯のし→仕立て直し

普通この工程をたどるのですが公庄工房では仕立て直す前に「金彩」を加えて仕上げています。
「金彩」は着物にとっての最後のお化粧です。
I様の着物の場合、元の柄には戻せませんが金彩を加えることで柄を生かせるかも知れません。
上前の部分と裾模様全体の写真をメールに添付して送ってください。
写真を拝見して判断します。
撮影は夜蛍光灯のもとは避けてください。
正確な色が写りません。
明るい昼間に撮影をしてください。
よろしくお願いします。

掲載させていただいてる例は全て公庄工房での実際の例になります。写真の掲載のご協力をお願い致します。