振袖仕立て直し
◇お客様からのご依頼

【送信内容】
いつもホームページを拝見しております。
このたびは私の振袖を娘用に仕立て直ししていただきたく連絡させていただいた次第です。
振袖は25年くらい前のもの、良いものかどうかはわかりませんが、娘に送られてきたカタログの振袖よりはいいものかと思っています。
それと、私自身の着物をオーダーしたいと思っています。しかしながら、子供の七五三もおわってしまった今、どんな着物を仕立てたらよいのかと思っております。
夏のお盆週にお休みがあり、着物に全く無知なこともあり、そちらに直接伺いたいと思っております。
お盆の週はすべてお休みでしょうか？
もしお伺いするなら宿も抑えないといけませんので、大変身勝手ですが早めにお休みのご連絡いただけると助かります。

返信内容

N様
お問い合わせ有難うございます。
２５年前の振袖ですと友禅の振袖で生地もいい生地が使ってあると思います。
現在のカタログにある振袖はほとんどが機械染（インクジェット印刷）の振袖です。
お母様の振袖に少し手を加えますとカタログの振袖よりはるかにいい振袖になると思います。

訪問着をオーダーしていただきますと非常にありがたいです。
今、着物職人の仕事はほとんどありません。
オーダー着物はすべての工程の職人に仕事が行き渡ります。
なんとか各工程の職人さんの仕事を確保したいと努力しています。
また、価格は市価の三分の一以下で出来上がります。
信じていただけないと思いますが事実です。
複雑な着物の流通をすべて省けるためにできる価格です。
工房に来ていただける日にちはお客様のご都合でお決めください。
ご指定の日時に工房でお待ちしています。
道順などは追ってお知らせいたします。
よろしくお願いします。

納品時のメール内容

N様
この度は公庄工房をご利用くださり有難うございます。
振袖仕立て直し出来上がりました。
花丸の中に朱、利休、ローズの色を足して模様が浮き上がるようにしました。
解き、羽縫い―シミ、汚れ落とし―洗い張り―模様伏せ―彩色―仕立て直し
この工程をたどり十四万円になりました。
胴裏の寸法が足りませんでしたので新しくした代金も含まれています。
振袖長襦袢生地、仕立て代金が四万五千円になります。
合計金額（消費税を含みます）十九万四千円になりました。
花丸のなかの色につきましては訂正可能ですので娘さんのご意向をお聞きください。
右袖に赤い印をつけておきました。その花丸の中の色だけでお願いします。
色を変えるためにはその部分の仕立てを解かなければなりません。
なかなか手間もかかってしまいます。
よろしくお願いします。
この振袖を私のHP京友禅公庄工房に掲載のお許しをお願いします。
インクジェットの振袖が多い中、お母さんの振袖は手描き友禅で仕上げられています。生地もはるかにいい生地が使ってあります。
HPの中で多くの方に見ていただき、本物の着物の良さを若い方々にも分かっていただきたいと願っています。
訪問着「桜に雪輪アルストロメリア」は現在金駒刺繍をお願いしています。
裾模様の中の三つの雪輪の周りに金駒刺繍を入れます。
その後仕立てをお願いします。
立派な訪問着が十一月末には出来上がります。
もう少しお待ちください。
有難うございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。

お客様からの返信内容

呉服店で娘の振袖の伊達えり、帯締め、帯揚げを染めていただいたローズに合わせ新調しました。

店内のどの方も、振袖や訪問着の写真に見入って、こんなにこだわりのあるお客さんは初めてですと言われました。（写真、振袖を見るのに黒山の人だかりになりました）
一緒に同伴した友達も、写真で振袖見せてもらったけど、実物はもっといいと興奮してました。

また京都の帯屋さんは、友禅や帯職人さんに素人さんが色を指定してもその色を使わない。なぜなら彼らはバランスを一番大切にするとおっしゃってました。お客の言った通りの入りにすると、バランスが悪いことが多いと。
私から振った話題ではないのに、まるで先日の公庄さんとのやり取りのようで、驚いてしまったと同時に、職人さんたちが私たちの着物に一生懸命取りかかっていただいたこと、目頭の熱くなる思いでした。
● 工程

1、解き
2、羽縫い
3、シミ、汚れ落とし
4、洗い張り
5、模様伏せ
6、彩色
7、仕立て直し