オーダー着物ギャラリー

訪問着「桜に雪輪アルストロメリア」

満開の弘前城の桜をバックに雪輪の中にお好きな花のアルストロメリアを配しご希望通り地紙の中を割付模様でまとめました。

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訪問着「桜に雪輪アルストロメリア」 ギャラリー

コメント

訪問着 「桜に雪輪アルストロメリア」

 

お客様からのご依頼

N様は工房ご来訪くださりお話しをお聞きしました。
弘前城の満開の桜、お好きな花のアルストロメリア、
割付模様の訪問着で話はまとまりました。
後日図案を作成し了解を得て進めました。

 

納品時のメール内容

N様
この度は公庄工房のオーダー着物をご利用くださり有難うございます。
訪問着「桜に雪輪アルストロメリア」出来上がりました。
満開の弘前城の桜をバックに雪輪の中にお好きな花のアルストロメリアを配しご希望通り地紙の中を割付模様でまとめました。
割付模様が入ったことで格調高くまとまったと思います。
白生地―湯のし―仮絵羽―下絵―糸目、糊伏せ―地染―蒸し、水元―友禅―蒸し、水元―湯のし―金彩―金駒刺繍―ガード加工―仕立て
ガード加工は防水加工です。
春の花が多くありますが添えの花には秋の花を入れました。
亀甲、七宝、青海など古典柄の割付模様がありますので季節を問わず着ていただけます。
ほぼ御希望とおりの訪問着が出来上がったと思います。
この訪問着を私のHP京友禅公庄工房に掲載のお許しをお願いします。
インクジェット印刷の着物が増えてゆく中、本物の京友禅の着物はどんどん少なくなっています。
私たち着物職人の生活は成り立たなくなってきました。
多くの職人が転職を余儀なくされています。
一人前の技術を持った職人が家族も養うことができないのです。
オーダー着物は全ての工程の職人に仕事が行き渡ります。
着物職人が生き残れる最後の道がオーダー着物を増やしてゆくことです。
オーダー着物の素晴らしさを多くの方々に理解していただけますようご協力をお願いします。
有難うございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。

 

お客様とのやり取り

公庄様

お返事が大変遅くなり申し訳ありませんでした。
このたびは、訪問着「桜に雪輪アルストロメリア」を作成していただき、大変お世話になりました。
無事受け取り、着物を確認しました。

生地、地色、図柄、金彩刺繍、どれをとっても、私の想像以上に素晴らしい訪問着で、言葉ではうまく表現できないほど、
気に入っております。着物というより一つの芸術品ですね。着るのがもったいないくらいです。
あれほど悩んでいた思い出の弘前城は、入れていただいて大正解でした。
この着物を見ると、20数年前の満開の弘前城の桜を思い出します。また、大好きなアルストロメリアを描いていただき、世界に一つだけの私の着物になりました。
雪輪の色、写真で見るとどす黒い赤に見えてしまい、最後まで悩みましたが、出来上がったものを見て、私の好きなピンク系で大変気に入っております。
金彩の田中さんにも、腕によりをかけて仕上げていただき感激しております。ありがとうございました。

初めは正直、着物に憧れはあるものの、着物の知識もなく、普段着る機会もない高額なものを直接見ずに、ネットで注文して大丈夫なのか、
ネットと手紙、電話でのやり取りで本当に後悔しないものが作れるのか、不安はありました。
しかし、出来上がった着物を見て、そんな気持ちはどこか彼方に行ってしまいました。心から、本当に良い買い物をしたと思っています。
また、私の着物にたくさんの職人さんが技術を終結してくださり、職人さん一人ひとりに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

出来上がった着物を広げ、一人で見ていると、そばにいた主人が「素晴らしい絵だね。特にその弘前城が良く描けている。絵は人の心を動かすね。」と言いました。
その言葉を聞き、今までどうして自分が着物を買わなかったのか、ほしいと思いながら、一歩を踏み出せなかったのか、主人の言葉を聞いて初めてわかりました。
私が今まで見ていたのは、機械印刷の大量生産の着物だったのです。だから、心を動かされなかったのです。
やはり人が描いた絵は、人の心を動かします。
今回の訪問着は、勤続20年記念の自分へのご褒美に作りましたが、本当に良い記念になりました。

京都の工房にお邪魔した時に伺った「京友禅の職人の仕事がない。京友禅が滅びようとしている」という公庄様のお話しは、大変興味深く、
娘の自由研究でも取り上げさせて頂き、学校の先生やお友達にも興味をもっていただきました。
私も公庄様のおっしゃるように、一人前の職人が自分の技術で家族を養っていけない世の中は間違っていると思います。
時代は移り変わっても、良いものは後世に伝えていかなくてはなりません。
ネットで着物を誂えるのは、これからの新しい方法だと私は思っています。
多くの人に、京友禅の素晴らしさを、日本の伝統を知って、受け継いでいってほしいと思います。

最後になりましたが、京友禅の職人さんのご活躍を応援しております。
● 工程

1、 白生地
2、 湯のし
3、 仮絵羽
4、 下絵
5、 糸目、糊伏せ
6、 地染
7、 蒸し、水元
8、 友禅
9、 蒸し、水元
10、 湯のし
11、 金彩
12、 金駒刺繍
13、 ガード加工
14、 仕立て