オーダー着物ギャラリー

完全お誂えオーダー訪問着「七宝に絵草紙」

オーダー訪問着「七宝に絵草子」

ご注文いただきました訪問着「七宝に絵草紙」出来上がりました。

模様の配色は出来るだけご希望に沿って行いました。

S様のブログの2015年4 月22日(Maria Callas Diary) に掲載していただきました。

S様ありがとうございます。

Before
オーダー訪問着「七宝に絵草子」模様、仮絵羽、下絵
お客様ご指定の寸法で仮絵羽、下絵
After
オーダー訪問着「七宝に絵草子」
オーダー訪問着「七宝に絵草子」
Before
完全お誂え・オーダー着物
糸目、糊伏せ
After
完全お誂え・オーダー着物
オーダー訪問着「七宝に絵草子」裾模様

完全お誂えオーダー訪問着「七宝に絵草紙」 ギャラリー

コメント

お客様からのご依頼

公庄様

いつも大変お世話になっております。
お待たせしておりました新しい付下げの図案ですが、やっとイメージが固まりましたので、図案の作成をお願いできますでしょうか。

まず、イメージとなる画像を4つ添付しました。
(1) 地色の雰囲気・柄の量などのベースのイメージ
(2) 今回の柄の基本となる図案
(3) (2)の図案が着物になったときの全体像を参考までに
(4) 染め疋田についての参考画像

今回の着物はベースはクリーム色((1)の画像よりもくすみのない明るいクリーム色)。
背に一つ紋付で、いつも通り子供の行事や茶会に使いますが、先日のピンクの付下げよりも華やかで多少若向きに。

メインの柄は(2)の画像にあるように、金彩を併用した冊子文様で、中には四季の花。
画像のように冊子から花が飛び出すような形でも良いと思います。

背景は染め疋田の七宝柄。
これは(2)の画像のように全体にあるのではなく、(1)の画像のように一部のみに。

ここで問題になるのは染め疋田の色使いですが、私は(4)の画像のように、付下げに赤い疋田でも可愛いと思うのですが、背景としては強すぎるでしょうか。この色使いについてはご相談を重ねる必要がありそうです。

まずは上記のように「四季草花の冊子文様に染め疋田の七宝」というテーマで、図案作成をお願いしたいと思います。
この度もお手数をおかけしますが、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

お客様とのやりとり

S 様
今回もご利用していただき有難うございます。
訪問着「絵草子・染め疋田」と言うことになりますね。
下絵の広野さんと相談し図案作成しお送りします。
少しお時間をください。
図案を見ていただいたあと少しお話をお聞きして進めたいと思います。
これまで5着の着物のオーダーをしていただきました。
大体のお好みは理解しているつもりですがより深めたいと思います。
よろしくお願いします。

 

納品時のメール内容

S 様
いつも公庄工房のオーダー着物をご利用くださり有難うございます。
オーダーご注文いただきました訪問着「七宝に絵草紙」出来上がりました。
図案作成―生地購入―湯のし―仮絵羽―下絵―糸目、糊伏せ―地染め―蒸し、水元―友禅―蒸し、水元、水洗―湯のし―金彩―縫い紋入れ―仕立て
この工程をたどりました。
S様のおかげで公庄工房のオーダーギャラリーはますます充実してきました。
来てくださるお客様とのお話では、必ずS様として話題になります。
ブログでもいつも取り上げてくださるおかげで工房への信頼が高まっています。
HP京友禅公庄工房を開設以来、願っていた方向へ近づいてきました。
京友禅は今や風前のともしびとなっています。
職人の生活はますます厳しく転職を余儀なくされています。
努力を積み重ね技術を身に付けた職人が、家族を養い楽しく生活できる世界は当たり前のことです。
そんな世界を築き上げてゆきたいと願っています。
その世界はきっと、着物を着ていただく方と作る職人が主人公の新しい着物の世界になるはずです。
それを目指して進んでゆきます。
有難うございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。

 

お客様からの返信内容

公庄様

先日は仕立てあがった着物をお送り頂きありがとうございました。
一昨日無事に受け取りました。

代金は先ほど振込致しましたので、お時間のあるときにご確認くださいませ。

今回の着物ですが、箱を開けて一番に感じたのは、まず地色がとっても綺麗ですね。
ぼんやりと思い描いていた「卵色」のイメージそのもので、とても優しく上品な色使いながらも、
くすんでいないので決して地味になることはなく、本当に綺麗な地色でした。

淡い色を小さな色見本で決めるのはドキドキしますし、今回は2色を選んでその中間色を、というアバウトな指定だったにも関わらず、綺麗な色にして頂けて良かったです。

そして柄ですが、広げた瞬間、今までとは少し違う軽やかな色使いが目に飛び込んできました。
頂いたお写真ではオレンジがかった朱色だと思っていたメインの色も、実際は朱色がかったオレンジで、地色の卵色にとても良く合っていました。

添えの色も淡い色彩でまとめつつ、要所要所にポイントとなる濃さで色を挿して下さっていますし、老松に使った緑青色が全体をピッと引き締めていますね。

利休系の葉の色で全体に明るさが加わって、まさに私好みの着物になっていました。

「生の色」を使わなくても、こういう明るくて華やかな着物が出来上がるというのは新しい発見です。
特にメインや疋田に使ったオレンジ系の色はとっても気に入りました。

付下げらしく軽やかに、でも公庄工房様らしい上品さのある、とても素晴らしい友禅だと思います。
今まで作られた着物とは少し違うテイストの友禅になっていると思いますが、私のように千總の着物を好む人間にも、とても受け入れやすいワンランク上の色使いですね。

背景の七宝に入れた疋田の量もちょうど良くて、本当にお気に入りの一枚になりました。
今回も素晴らしい着物を作って頂き、ありがとうございました。

次回は7月ごろに、また一つ紋付の付下げをお願いするつもりでいます。
それまでにじっくりと図案を練ってまたご相談しますので、引き続き宜しくお願い致します。

御客様からお写真とメールいただきました。

公庄様

いつもお世話になっております。

昨年の茶会で着用した七宝に絵草子柄の付け下げと、先日の初釜で久しぶりに来た花の丸の付け下げの写真をお送りいたします。

 

どちらも周りの方から好評で、花の丸も改めて着てみるとはやりとても可愛らしくて素敵で、良さを再確認しました。

いまお作り頂いている付け下げもどんな出来上がりになるのか、楽しみにしています。

● 工程

1、図案作成
2、生地購入
3、湯のし
4、仮絵羽
5、下絵
6、糸目、糊伏せ
7、地染め
8、蒸し、水元
9、友禅
10、蒸し、水元、水洗
11、湯のし
12、金彩
13、縫い紋入れ
14、仕立て