オーダー着物ギャラリー

完全お誂えオーダー訪問着「橘・扇散らし」

S様のお好みと違うのは分かっていましたが、一番上品に仕上がるのはこの配色で仕上がりを見ていただけばご理解していただけると進めました。

S様のブログの2014年9 月25日(Maria Callas Diary) に掲載していただきました。 S様ありがとうございました。

Before
wo33pivn_01
お客様ご指定の寸法で仮絵羽、下絵
After
オーダー着物「橘に扇散らし」
オーダー訪問着「橘・扇散らし」
Before
wo33pivn_03
糸目、糊伏せ
After
オーダー着物「橘に扇散らし」裾模様
オーダー訪問着「橘・扇散らし」裾模様

完全お誂えオーダー訪問着「橘・扇散らし」 ギャラリー

コメント

お客様からのご依頼

公庄様

こんにちは。今年は早くも桜が散り始めていますが、京都は今頃が観光のピークでしょうか。

先日は素敵な付け下げをどうもありがとうございました。毎日バタバタとしていて遅くなってしまいましたが、3月31日付のブログでアップさせて頂きました。

公庄様のHPへの掲載もお返事をし忘れてしまっていましたが、どうぞお使いくださいませ。

さて、今回はまた新しい付下げの別誂えをお願いしたく、ご連絡させて頂きました。

前回同様、娘の行事ごと(七五三・入卒園式)やお茶会などに着られるよう、すっきりとした柄で優しい色使いの一つ紋付の付下げをお願いいたします。

今回はイメージ画像を添付させていただきました。これよりは少し濃いめのピンク地、もしくはこのくらいの色で裾濃(裾を同系色の少し濃い色でぼかし染め)にしたいと思っています。柄の色使いもこの画像くらいのイメージでいます。とはいえ、この画像の振袖は公庄様がお得意な琳派調のようですので、公庄様のほうが良くお分かりかと思います。

柄は画像では扇の中に四季の花・背景に桜ですが、扇の中に宝尽くし紋様・背景に橘でどうでしょうか?

これを付下げに合う程度の柄の量にして頂いて、図案をお作りいただければと思います。

今回も御手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

お客様とのやりとり

S様
メール有難うございます。
オーダー着物のご注文有難うございます。
「橘に扇散らし」と云うことですね。
各扇の中には宝ずくしばかりでいいですか?
割り付け模様があってもいいかな?とも思いますが…。
図案作成の前に確認させてください。

 

納品時のメール内容

S様
この度も公庄工房をご利用下さり有難うございます。
ブログでは何回も取り上げて頂き感謝しています。
今回のオーダー訪問着「橘・扇散らし」出来上がりました。
図案作成―生地購入―湯のし―仮絵羽―下絵―糸目、糊伏せ―地色ぼかし染―蒸し、水元―友禅―蒸し、水元、水洗―湯のし―金彩―ガード加工―紋入れ―仕立て。
この工程を辿りました。
オーダー訪問着「橘・扇散らし」の配色にはご期待に十分お答えできなかったようで反省しています。
この訪問着の図案が出来上がった時点で配色は迷わず決まっていました。
S様のお好みと違うのは分かっていましたが、一番上品に仕上がるのはこの配色で仕上がりを見ていただけばご理解していただけると進めました。
好みはひとそれぞれですのでやはりご意見をお聞きするべきでした。
この「橘・扇散らし」がもう少し時を経て、お好みの着物の一つに加えて下さることを願っています。
S様のブログのおかげさまで「オーダー着物」のご注文していただくお客様が少しずつ増えてきました。
着物職人には厳しい現実が続きますがかすかに希望の芽が出てきました。
世代を超えて伝えていただける京友禅の着物を一生懸命作り続け努力を重ねてゆきます。
有難うございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。

 

お客様からの返信内容

公庄様

こんにちは。
週末は京都にも台風の影響があったようですが、大丈夫でしたでしょうか?
関東はオフィスにいる間に台風が過ぎ去ったので、あまり大きな影響もなく終わりました。

先日のメールでは言葉足らずでご心配をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。

今週末やっと時間が取れたので、娘がお昼寝をしている間にお送り頂いた着物を開けて、明るい光の下でじっくりと拝見しました。

結果、今回の着物もとても気に入りました。

先日のメールにも書いたように、裏地がつくと淡いピンクの地色がとても綺麗に出て、光の加減で細かに浮き上がる地紋を引き立てていました。
反物の状態では地味かな?と思っていた柄の色使いも、こうして着物になってみると、また全く印象が違いますね。

橘の枝は墨の濃淡ですが、ところどころを白くすることで明るさが加わっていて、背景らしく品良く収まっていました。

扇は抑えた色使いですが、それが逆に地色の綺麗さを引き立てているかのようです。

羽織ってみると、いつもの通りどっしりとした上質な反物ならではの絹の質感に、綺麗な地色、そして品の良い色使いの友禅で、小さな子の母親らしい優しい着物でした。

確かに私の好みの色使いとは違いますが、この着物にはこれでよかったと思います。
やはり柄と地色のバランスで、合う色使いも変わってくるのですね。

お茶会や娘の行事などに来て行くのに、長く活躍してくれそうな一枚になりました。
帯次第でずいぶん印象が変わりそうですので、色々と試してみようと思います。

今回は途中で一度反物を送って頂いたりとお手数をおかけし、引越しが重なったこともあって、
公庄様にはご心配をおかけしてしまいましたが、今回も大満足の仕上がりでした。

やはり基本的には公庄様にお任せするのが一番だと改めて思いましたが、
先日のお電話で、前回の「花の丸」の時には彩色に迷ったというお話を伺ったので、次回は友禅の前に一度お打ち合わせをしましょう。

実際に着物を作る側の方と着る側の人間が、こうしてお互いの意見を刷り合わせながら一つの着物を作っていけるのも、公庄工房様のオーダーメイドならではですね。

そのぶん公庄様には普通の友禅職人さんには無い大きな負担が増えてしまいますが、お気に入りの一枚を作るため、どうかお付き合い頂けましたら幸いです。

次にお願いする紋付の付下げは現在図案に悩んでいるところです。
後日いくつかの図案のイメージ写真をお送りしますので、どんな感じが良いか、一度お電話でご相談させて頂けたらと思います。

この度も素敵な着物をお作り頂き、本当にありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。

 

お客様からの返信内容

公庄様

昨日はお電話でお時間を頂きありがとうございました。
今回は華やかめの仕上がりになるということで、楽しみにしております。

前回お作り頂いた付け下げを1月の初釜で着ましたので写真をお送りします。
HPへの掲載もご自由にお使いくださいませ。
● 工程

1、図案作成
2、生地購入
3、湯のし
4、仮絵羽
5、下絵
6、糸目、糊伏せ
7、地色ぼかし染
8、蒸し、水元
9、友禅
10、蒸し、水元、水洗
11、湯のし
12、金彩
13、ガード加工
14、紋入れ
15、仕立て